ABOUT Dr.YUN
ABOUT Dr.YUN
文化地理学者(英国エクセター大学 地理学博士)
東京外国語大学 現代アフリカ地域研究センター 特別研究員
Global Coffee Society 創設者・ディレクター
米国CQI認定 Qグレーダー(コーヒー国際鑑定士)
Beletu Inc. / Beletu Coffee Roastery Lab 創業者
THE STORY
梨花女子大学で哲学を学び、在学中は中国にも留学した。大学卒業後は韓国芸術総合学校で芸術経営を学び始め、2003年には転籍して成均館大学公演芸術共同課程で修士号(2005年)を取得した。華川イカダ祭り、華川ヤマメ祭りという山奥の地域振興プロジェクトを世界的な注目を集めるイベントとして大成功に導いた。これが、後に彼女がエチオピアでコーヒーを媒体とした地域開発研究を行う上での礎となった。
エチオピアとの出会いは2003年頃に遡る。Dr.YUNは韓国のNGOで、エチオピアの子どもたちからの手紙を英語から韓国語に翻訳するボランティアをしていた。
朝鮮戦争(1950〜53年)で、エチオピアは16の国連加盟国のひとつとして韓国のために戦った。その歴史的なつながりが、多くの韓国人をエチオピアの支援へと向かわせていた。手紙の文字を追ううちに、Dr.YUNはエチオピアの文化と歴史に引き込まれていった。それが、20年を超える旅の始まりだった。
しかし、韓国にいながらエチオピアの研究を行うことは容易ではなかった。そこで、韓国の外でエチオピアを研究しようと、日本の一橋大学大学院に留学した。
日本での修士課程修了後は英国での博士課程へと進んだ。豊かな観光資源と高品質のコーヒーにもかかわらず、エチオピアでは商業的にコーヒー産業を活用したツーリズムを積極的に開始していなかった。そこで、コーヒーツーリズムの研究を始めることにした。
韓国人研究者として、日本、英国、エチオピアで活動する。自身がそれぞれの地で「よそ者」という立場に置かれるなかで、異なる権力の景観を体験した。誰が価値を決め、誰がそこから排除されているのか——その問いが、後の研究の核心になった。
研究者としてエチオピアに通い詰めるなかで、彼女はコーヒーをめぐる深刻な非対称性を目の当たりにした。コーヒー農家たちは、グローバル市場の価格変動に対してほとんど無力なまま置かれていた。
コーヒーツーリズムという概念は、その問題への応答として生まれた。産地の人々が自らのコーヒー文化・歴史・景観を資源として、消費国からの訪問者と「対等に」出会う場を設計すること——フェアトレードが「商品の価格交渉」の文脈に重きを置くとすれば、コーヒーツーリズムは「文化と知識の対話」という別の回路からの問い直しだった。
2014年に完成した博士論文は、コーヒーツーリズム研究の世界的先駆けとなり、現在でも年間1,000回以上ダウンロードされている。
Dr.YUNは研究をデータに閉じ込めなかった。
エチオピア・カッファ地方政府のコーヒーツーリズムアドバイザーとして農村に滞在し、地域の人々と共に実験的なプログラムを設計した。韓国でエチオピアコーヒー専門企業Beletu Inc.を創業し、産地から直接豆を仕入れ、焙煎・販売した。エチオピア政府・国連会議センターでの招待講演、東ティモールでの国際審査員、大阪万博エチオピア・ナショナルデーへのVIP招待——外交の現場にも立ち続けた。
Dr.YUNは自分の研究の歩みを、こう表現している。
「私はコーヒー生産地のディズニーランド=エチオピアで長く研究を続け、今はコーヒー消費地のディズニーランド=日本で新しい研究を始めました。」
2025年3月、二つのスーツケースだけを持って東京に移り住んだ。現在は東京外国語大学現代アフリカ地域研究センターで、コーヒー地理学者として「アジア・コーヒーロード」研究を進めている。
日本はDr.YUNにとって、研究者として最初に学んだ国でもある。エチオピア研究の学術的蓄積、そして世界屈指のコーヒー消費文化を持つ国として、博士論文の中でも日本は重要な位置を占めていた。日本はコーヒーを単なる嗜好品としてではなく、産地・焙煎・抽出・道具・器にいたるまで深く掘り下げ、文化として昇華させてきた国だ。「小さなものを文化にする力」をDr.YUNは日本に見ている。
そしてもう一つ、Dr.YUNがコーヒーの世界に見出している大きな可能性がある。
スペシャルティコーヒーの広がりとともに、エチオピアへの眼差しが変わりつつある。コーヒーの発祥地、唯一無二の品種と文化を持つ「コーヒーのメッカ」として——エチオピアは今、世界中のコーヒー愛好家にとって憧れとリスペクトの対象になっている。産地の人々の知識・文化・物語に学ぼうとする人々が、確実に増えている。
この変化こそが、Dr.YUNが長年研究してきたコーヒーツーリズムの核心だ。従来の経済的な力関係ではなく、文化と知識への敬意が、人と人をつなぐ新しい回路を生む。コーヒーという共通言語が、生産地と消費地の間に対等な対話の場を開く——その可能性を、日本という消費地のディズニーランドから実践するために、Dr.YUNは東京を選んだ。
FOUR DIMENSIONS
Dr.YUNは「研究者」という一言では収まらない。学術・実践・外交・文化プロデュースという4つの軸が、コーヒーという一本の糸で結ばれている。
コーヒーツーリズム研究の世界的先駆者。開発論・権力論・ポストコロニアル理論・感情地理学・参加型地理学を横断する学際的アプローチで、分断された知を統合する。
エチオピアにおけるコーヒーツーリズム研究にて、一橋大学大学院社会学修士号、英国エクセター大学 地理学博士号取得
博士論文ダウンロード数年間1,000件超(コーヒーツーリズム分野で世界最多水準)
東京外国語大学 現代アフリカ地域研究センター 特別研究員
韓国国立アジア文化殿堂(ACC)館長表彰受賞(2025)
現場を知らずして研究なし。20年のフィールドワークと、米国CQI認定Qグレーダーの資格が、言葉に実体を与える。
米国CQI認定 Qグレーダー(コーヒー国際鑑定士)
エチオピア政府認定コーヒー品質検査資格取得。エチオピア現地のレジェンドから直接鑑定法を伝授される。
1日800杯のカッピング経験
韓国・Beletu Inc. 創業(ソーシング〜焙煎〜販売まで一手に)
エチオピア・カッファ地方政府 コーヒーツーリズムアドバイザー(2011〜)
東ティモール Festival Kafé Timor 2025 国際審査員
韓国農業振興公社(Korea Rural Community Corporation)アグリツーリズム開発アドバイザー(2018年〜現在)
コーヒーを「外交ツール」として機能させてきた実績。エチオピア政府・国連・国際機関との信頼関係は、20年の現場から生まれた。
国連会議センター(アディスアベバ)招待講演(2018)
エチオピア コーヒー・ティー庁 招待講演(2019)
韓国・釜山GYCF エチオピア大使館ブース運営支援(2025)
大阪・関西万博 エチオピア・ナショナルデー VIP招待(2025)
知識を社会に届ける回路を自ら設計する。フェスティバルから放送・出版・ポッドキャストまで、文化を動かしてきた経験が「GCSの設計者」としての強みになる。
成均館大学 表演芸術修士号取得(韓国芸術綜合学校 芸術経営修士課程より編入)
韓国・華川ヤマメ祭を国際イベントに育てた立役者。CNN・ロンリープラネット「冬の七不思議」選出に貢献
EBSドキュメンタリー「世界テーマ紀行・エチオピア編」出演(2024)
Arirang TV国際放送インタビュー(2024)
ポッドキャスト「始まりはいつもコーヒー」配信中(2026〜)
note「コーヒー地理学」連載中(2026〜)
英語・韓国語で複数の著書発行
CURRENT AFFILIATIONS
特別研究員
専門:アジア・アフリカ地域研究、人文地理、国際関係論
研究テーマ:コーヒーがエチオピアからアジアへ伝播した文化・歴史的ルート
創業者
エチオピアコーヒー専門プラットフォーム
ソウルに店舗を構え、ソーシング・トレーディング・焙煎・抽出を一手に担う
国立アジア文化殿堂(韓国)館長表彰受賞(アジアコーヒーロード公開講座企画・実施に対する功績) 国立アジア文化 殿堂(韓国) 2025年12月31日
2025年5月14日–21日 国立アジア文化殿堂(韓国・光州)「アジアコーヒー ロード」西アジア編(イエメン、トルコ、サウジアラビア)各国2回、計6回講演。
2025年5月23日–25日 韓国・釜山 Global Yeongdo Coffee Festival 招聘講演「アラビカコーヒーの故郷エチオピア」、「エチオピア・コーヒーツアー」計2回講演。
2025年 7月10日 東京外国語大学 現代アフリカ地域研究センター 『コーヒーが地理学を必要とする理由:アジアからアフリカへ意味をマッピングする』 "Why Coffee Needs a Geography: Mapping Meaning from Asia to Africa" ハイブリッド方式(対面14 名、オンライン46名)
2025年6月11日: “The second life of coffee: Ethiopia reimagined in Seoul and Tokyo.” 24 Africa–Asia: A New Axis of Knowledge 3 ConFest, Dakar, Senegal.
2025年6月29日: “After the Fieldwork: Reimagining Ethiopia through Coffee and Language.” 第34回日本ナイル・エチオピア学会年次大会(JANES), 弘前大学.
2025年7月10日: “Why coffee needs a geography: Mapping meaning from Asia to Africa.” 第105回東京外国語大学アフリカ研究センターセミナー.
2025年10月11日: “Tracing the second life of Ethiopian coffee: Journey to Timor-Leste.” 日本アフラシア学会年次大会, 広島大学.
2025年11月17日:“From Ethiopia to Timor-Leste: Tracing the Living Heritage of Coffee.” Festival Kafé Timor 2025 Coffee Tourism Session, Dili Institute of Technology(東ティモール).
Yun, O. (2025). On tiny cups: Tracing the invisible routes of coffee culture. The Newsletter, 101. International Institute for Asian Studies (IIAS).
韓国・釜山 Global Yeongdo Coffee Festival コーヒー外交 2025年5月23日~ 2025年5月25日 在韓エチオピア大使館エチオピア国家館ブース運営支援(大使・関係者参加)
東京外国語大学アフリカ専攻 ファシリテーター 2025年6月 東京外国語大学アフリカ・ウィーク「ルワンダ・デー」ファシリテーション(アフリカ・ ウィーク実行委員会および学内学生団体 Femme Caféと連携)
東ティモール・コーヒー協会 国際審査員 2025年11月 東ティモール・コーヒー協会招聘 Festival Kafé Timor 2025 参加(2025年収穫ロット品評会および東ティモール・エアロプレス選手権国際審査員として参加)。
大阪・関西万博 VIPゲスト 2025年10月3日 大阪・関西万博 エチオピア・ナショナルデー 参加(VIP招待)。